わたしは私が持ってる汚い「承認欲求」のようなものを振り払いたくて、手放したくて

取り憑かれたように手を洗う。

 

 

 

むかし、昔ね

お母さんとお父さんが両手を繋いでくれて

弟はまだ赤ちゃんで

皆でお出かけしたドラマみたいなあの1ページが

時が経つほど美化されていって

もう絶対に叶わない4人の集合写真を

穴が空くくらい眺めるの

 

決して裕福な家庭じゃなかったから、

スタジオや写真館で撮ったような写真はないけれど、

それでも、それでも家族で海に行った時の写真や、夏にやった小さな手持ち花火を嬉しそうにお父さんとやってる写真はあったんだ

 

それが、それがね、

良いはずなのに、思い出って良いはずのものなのに

 

こんなのなければ良かったって思うんだよ、

ね、変でしょ

 

だけどさ、

いい思い出だって無かったら、

こんな風に思い出して 悲しくなることもないじゃない、

あの頃に戻れたらって、

過去を思い出して泣く夜はなかったんじゃないかな。

 

一定のラインから、どんと落とされるか、

低いとこから落ちっぱなしか、

だったら

落ちっぱなしの方が

感情の起伏が小さくて楽じゃんか。

 

無駄に幸せを味合わせてくれなくても良かったのに。

 

そんな悪態をつきたくなるけれど、

お母さんが悲しむようなことはしたくないし

そこまで親を憎めないので

わたしの「限界」がきたら

今日も静かに、

薬を水で流し込んで。

 

 

広いベッドに1人、

布団にくるまって 

タオルで次から次に出てくる涙を吸い込ませて

朝が来るのを待つのです

 

 

はやく、はやくふつうになれますように

 

 

気付いたら真っ赤になっていた右手首を抑えて

はやく、はやくここから出られますように。

みんなと同じところに行けますように。

 

 

わたし、

わたしは。

 

 

ただ、泣きたくないだけなのに。

 

 

それがこんなにも難しい

 

 

 

ぜんぶ、辞めちゃいたい