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朝起きた瞬間、
脳みそが、「無理」って全部を拒絶していた
頭はパニックで
脳みその中で警笛がガンガン鳴って物事が手に付かない
視界に入ってくる情報量が多すぎて処理できなくなる
なるべく世界を遮断したいのに、
目を瞑ろうとすると瞼が拒否した
情報量を抑えるために自分の太ももの1点を集中して見つめる。
抑えなきゃいけないのに身体はそわそわ落ち着かなくて、あっちに行ったりこっちに行ったり
足の向くままに部屋を歩き回る
慌ててブロンを飲んだけど、どうも効きが悪い
しばらくして、ぼんやりブロンが効いてきて
今度は脳みそが覚醒し始める
身体はどんと重くて動かないのに、
やりたい事が次々に浮かんで
今なら出来なかったアルバイトも、行けなくなった学校にも 怖いあの人にだって会えちゃいそう。
やたら整理をしたくなって、身軽になりたくて
物を捨てる。服をゴミ袋に詰めて、スカスカになったクローゼットを眺める。スマホのカメラロールから次々写真を捨てる。LINEの友達を減らす。トークを消す。
私は身軽だ
そんな錯覚にわくわくする
楽しい時間はあっという間に過ぎて、
気付けば半日過ぎて
終わったあとは重だるい身体を引き摺るだけ
ドーピングしたツケはあとからきっちり払わなければいけないので、
離脱作用に苦しむのは自分なのに
現実から逃げるために今日もまた、
ザラザラと薬を流し込む
繰り返し
繰り返し